代表挨拶
一般社団法人 足の8020 代表理事 立花 貴
私たちが本当に願っていることは、とてもシンプルです。
80歳になっても、逢いたい人に自分の足で逢いに行けること。
行きたい場所に、自分の足で行けること。
その「当たり前」を守りたいのです。
そのために、足腰を鍛え、歩き続ける習慣を育む。
それが「足の8020」という市民運動です。
この目標は、単なる健康づくりではありません。
一人ひとりが最期まで自分らしく歩ききることで、
ウェルビーイングを高め、医療・介護費など社会保障費の増大を抑え、
浮いた社会資源を未来の希望へつなげていく。
歩けなくなる → トイレに行けなくなる → 食べられなくなる
──多くの人がたどる「下りの三階段」の最初の一段目を、できる限り遅らせる。
そのために「歩く力」を保ち続けることが、何よりも大切だと考えています。
「足の8020」は、健康法でも、運動習慣でもなく、生きる力を取り戻す文化運動です。
人生の後半を、老いや病を恐れてすごすのではなく、
フットワークよく、軽やかに、行きたい場所へ、逢いたい人のもとへ——。
「歩ける」ということは、自分の世界を広げ続けること。
そして「歩く」ことは、未来に贈る贈り物であり、希望そのものです。
この運動は、全国に広がり始めています。
今年5月に開催した「第3回 足の8020ウォーキング」では、延べ305,125人が参加し、
全国523自治体が後援、内閣府・厚労省・デジタル庁・こども家庭庁なども支援してくださいました。
参加費は無料で、協賛金は印刷・発送等の実費を除きすべて、
貧困のこどもたちの体験格差をなくす活動を行うNPOへの寄付となっています。
人口が減少し、社会保障費がGDPの4割に達するといわれる30年後の日本に向けて——
今こそ、「歩く」という最も身近で力強い行動から未来を変えていくときだと感じています。
未来を変えるのは、制度や技術ではありません。
一人ひとりの日常の「歩く」の積み重ねです。
80歳になっても、逢いたい人に会いに行ける。
行きたい場所に行ける。
そんな「フットワークよく人生を楽しむ文化」が、
30年後の日本に根づいていることを願って——。
私たちは今日も、一歩を踏み出しています。
ご一緒に、歩いていきましょう。